「個別避難計画」という言葉を見かけたものの、名簿の話なのか、計画書の話なのか、誰が作るものなのか、少し分かりにくいと感じる方は多いのではないでしょうか。
とくに墨田区で調べる場合は、「個別避難計画」という全国的な言い方だけでなく、「要配慮者個別避難支援プラン」や「避難行動要支援者名簿」といった言葉も出てきます。
わたしは地域情報メディア『すみだデスク』のエリア担当ライター、まさきです。防災制度は言葉が似ていて分かりにくいことが多いので、まずは「何のための制度なのか」から落ち着いて整理していきます。
この記事では、個別避難計画の基本、墨田区での名称、避難行動要支援者名簿との違い、確認先を順番にまとめます。
個別避難計画とはどんな制度か
個別避難計画とは、災害時に自力で避難することが難しい方について、避難先、避難方法、支援する人などを一人ひとりに合わせて整理しておく計画のことです。
地震や水害などが起きたとき、すぐに自分だけで避難できる人ばかりではありません。高齢の方、障害のある方、介護が必要な方などは、避難のタイミングや移動方法を事前に考えておく必要があります。
そのため、国の制度として、市区町村が避難行動要支援者ごとの個別避難計画の作成に努めることになっています。ただし、作成の進み方や具体的な運用は自治体によって異なります。
墨田区では「要配慮者個別避難支援プラン」として案内されている
墨田区では、個別避難計画に関係する取り組みとして、「要配慮者個別避難支援プラン」が案内されています。
これは、災害時に自分一人で避難することが難しい方や、どう避難すればよいか分からない方を事前に把握し、地域で情報を共有しながら、避難支援の内容を考えていくための仕組みです。
墨田区の公式ページでは、町会・自治会、要配慮者サポート隊など、地域の支援機能を持つ住民防災組織が取り組みを進めやすいよう、作成支援マニュアルや様式も掲載されています。
制度の内容や様式は更新されることがあるため、最新情報は墨田区公式サイト、または担当の防災課で確認するのが安心です。
避難行動要支援者名簿との違い
個別避難計画を調べると、同時に「避難行動要支援者名簿」という言葉も出てきます。ここが一番混乱しやすいところです。
簡単に言うと、名簿は「支援が必要な方を把握するための一覧」、個別避難計画は「その方がどう避難するかを具体的に考えた計画」です。
- 避難行動要支援者名簿
-
災害時に避難の支援が必要な方を、区が把握するための名簿です。
- 個別避難計画・個別避難支援プラン
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名簿などをもとに、避難先・避難方法・支援者などを個別に整理する計画です。
つまり、名簿に載っているからといって、全員分の個別避難計画が自動的に完成しているわけではありません。名簿への登載と、具体的な避難支援プランの作成は、分けて考える必要があります。
墨田区の名簿対象者として考えられる人
墨田区では、災害が発生した場合や災害が発生するおそれがある場合に、自分で避難することが難しく、避難支援を必要とする方を対象に、避難行動要支援者名簿を作成しています。
対象としては、75歳以上の一人暮らしまたは75歳以上のみの世帯の方、要介護3・4・5の方、一定の障害がある方などが挙げられています。
また、上記に当てはまらない場合でも、災害時に自ら避難することが困難で、特に支援が必要と認められる場合は、名簿への登載を申請できる場合があります。
ただし、対象要件は時点によって変わる可能性があります。自分や家族が対象になるかどうかは、必ず墨田区公式サイトや防災課で確認してください。
名簿の情報はどこに提供されるのか
避難行動要支援者名簿には、住所、氏名、生年月日、連絡先、避難支援を必要とする理由など、個人に関する大切な情報が含まれます。
墨田区では、平常時から避難支援等関係者に情報提供を行う仕組みがあります。提供先としては、区内の警察署、消防署、消防団、民生委員、社会福祉協議会などが挙げられています。
一方で、名簿情報の取り扱いには個人情報の管理が関わります。墨田区では、防災目的や災害時の避難支援等以外には使用しないことが案内されています。
「どこまで情報が共有されるのか」「平常時の提供を拒否できるのか」などが気になる場合は、公式ページの案内や届出様式を確認しておくと安心です。
地域の支援体制とどうつながるのか
個別避難支援プランは、区だけで完結するものではありません。実際の災害時には、近くにいる地域の人たちの協力が重要になります。
墨田区では、町会・自治会、要配慮者サポート隊など、地域の支援体制と連携しながら、要配慮者を支える仕組みづくりが進められています。
ただし、地域ごとに状況は異なります。すべての町会で同じように支援体制が整っているとは限らないため、自分の住んでいる地域ではどのような取り組みがあるのかを確認しておくことが大切です。
計画があっても必ず支援が届くとは限らない
個別避難計画や個別避難支援プランがあると聞くと、「これで災害時も必ず助けてもらえる」と感じるかもしれません。
しかし、計画はあくまで事前の備えです。実際の災害時には、支援する人自身が被災していることもあります。道路が通れない、火災や浸水で予定していた経路が使えない、連絡がつかないといったことも考えられます。
個別避難計画は「必ず助けが来る約束」ではなく、助かる可能性を高めるための事前準備として考えるのが現実的です。
本人や家族も、非常持ち出し品、避難先、連絡方法、近所とのつながりを平時から確認しておくことが大切です。
福祉避難所との違い
個別避難計画とあわせて、「福祉避難所」という言葉を見かけることもあります。どちらも配慮が必要な方の避難に関係しますが、役割は違います。
| 仕組み | 役割 |
|---|---|
| 個別避難計画・個別避難支援プラン | 誰が、どこへ、どのように避難するかを事前に整理する計画 |
| 福祉避難所 | 高齢者や障害のある方など、避難生活に配慮が必要な方を受け入れる避難所 |
個別避難支援プランの中で、避難先の候補として福祉避難所が関係することもあります。ただし、福祉避難所へ最初から直接避難できるかどうかは、災害の状況や自治体の運用によって異なります。
「福祉避難所に行けばよい」と自己判断するのではなく、事前に墨田区の案内を確認しておきましょう。
よくある思い込みと実際の違い
個別避難計画や避難行動要支援者名簿については、似た言葉が多いため、次のような思い込みが起きやすいです。
- 名簿に載れば、個別避難計画も自動的に作られる
- 計画があれば、災害時に必ず支援してもらえる
- 福祉避難所には、必要な人が直接行けばよい
- 一度登録すれば、ずっと内容を見直さなくてよい
実際には、名簿、個別避難支援プラン、福祉避難所はそれぞれ役割が違います。また、本人の状態や家族構成、住まいの状況が変われば、確認すべき内容も変わります。
平時に確認しておきたいこと
災害が起きてから「自分は対象なのか」「どこに聞けばいいのか」を調べるのは大変です。制度のことは、落ち着いている平時に一度確認しておくと安心です。
墨田区公式サイトや防災課で、避難行動要支援者名簿の対象要件を確認します。
名簿への登載だけでなく、具体的な避難支援プランの作成がどうなっているか確認します。
町会・自治会・要配慮者サポート隊など、自分の地域でどのような支援体制があるかを確認します。
避難先、連絡方法、支援してくれる人を、本人だけでなく家族や近所の人とも共有しておきます。
状況が変わったら見直しも必要
個別避難支援プランは、一度作れば終わりではありません。家族構成、介護度、障害の状態、住まい、連絡先、支援してくれる人が変われば、内容の見直しが必要になります。
たとえば、引越しをした、同居家族が変わった、介護認定が変わった、支援者として考えていた人が近くに住まなくなったという場合は、早めに確認しておくと安心です。

状況が変わったときが、避難支援プランを見直すタイミングです
まずは墨田区の公式ページを確認する
個別避難計画や避難行動要支援者名簿は、言葉だけ見ると少し難しく感じます。しかし、最初からすべてを理解しようとしなくても大丈夫です。
まずは墨田区公式サイトで、次の言葉を検索してみてください。
- 要配慮者個別避難支援プラン
- 避難行動要支援者名簿
- 墨田区 要配慮者避難支援プラン
担当は墨田区の防災課です。自分や家族が対象になるか分からない場合、名簿やプランの扱いが分からない場合は、公式ページを確認したうえで問い合わせるのが確実です。
この制度を調べたみなさんへ
「個別避難計画」という言葉を見かけて、ここまで読んでくださった方は、すでに大切な一歩を踏み出していると思います。
防災の制度は、普段の生活ではあまり意識しないものです。けれど、家族に高齢の方がいる、介護が必要な方がいる、ひとりで避難するのが不安な方がいる場合は、平時に確認しておくだけで安心感が変わります。
今日できることは、墨田区公式サイトで「要配慮者個別避難支援プラン」または「避難行動要支援者名簿」と検索して、担当ページを一度開いてみることです。
制度の全体像を一気に理解しようとしなくても大丈夫です。まずは「どこに確認すればよいか」を知っておくだけでも、次に動きやすくなります。
家族の顔を思い浮かべながら、今日は公式ページを一つ開いてみてください。それだけでも、災害への備えは少し前に進みます。












