墨田区の広域避難場所、避難所・一時集合場所との違いと割当の調べ方

「広域避難場所」という言葉を、地図や防災マップで見かけたことはありませんか。

ただ、名前だけを見ると「避難所と何が違うの?」「水害のときも行けばいいの?」「墨田区ではどこを確認すればいいの?」と、少し分かりにくい言葉でもあります。

墨田区を拠点に地域の情報をお届けしている『すみだデスク』のエリア担当ライター、まさきです。わたしは普段、錦糸町と押上のあいだをよく動いているのですが、地震や大規模火災への備えを考えると、この地域では避難の仕組みを一度しっかり確認しておく価値があると感じています。

この記事では、広域避難場所・避難所・一時集合場所の違いと、墨田区で自分の避難先を確認する方法を、できるだけ分かりやすく整理します。

目次

広域避難場所とは?

広域避難場所とは、震災時に大規模な延焼火災が広がった場合に、火の粉や熱から身を守るために避難する広いオープンスペースのことです。

東京都では、東京都震災対策条例に基づき、震災時の火災から都民を守るための避難場所や避難道路などを指定しています。

公園・緑地・住宅団地・学校などのうち、一定以上の広さがあり、多くの人が一時的に避難できる場所が対象になります。

ここで大切なのは、広域避難場所は「生活する場所」ではなく、大規模火災の危険から一時的に身を守る場所だという点です。

広域避難場所と避難所の違い

広域避難場所と混同しやすいのが「避難所」です。どちらも災害時に使う場所ですが、目的が大きく違います。

広域避難場所

大規模な延焼火災から命を守るために、一時的に避難する場所。長期滞在は想定されていません。

避難所

自宅が倒壊したり、被災して戻れなくなった人が、一定期間生活するための施設。学校や地域センターなどが指定されることが多いです。

つまり、広域避難場所は「火災の危険から逃げる場所」、避難所は「自宅に戻れないときに生活する場所」と考えると分かりやすいです。

火災の危険が落ち着いた後は、状況に応じて避難所へ移動するか、自宅へ戻れるかを判断することになります。

一時集合場所とはどう違う?

もう一つ、避難の話で出てくるのが「一時集合場所」です。

一時集合場所は、広域避難場所へ向かう前に、近隣の住民が一時的に集まる場所です。町会や自治会単位で決められていることが多く、近所の公園や学校の校庭などが使われます。

災害時の流れとしては、次のように考えると整理しやすいです。

  1. まず自分と家族の安全を確保する
  2. 必要に応じて一時集合場所へ向かう
  3. 地域の状況を確認する
  4. 大規模火災の危険がある場合は、広域避難場所へ避難する

広域避難場所の名前だけを知っていても、そこへ向かうまでの流れを知らないと、実際の災害時に迷ってしまうことがあります。

そのため、広域避難場所だけでなく、自宅近くの一時集合場所もあわせて確認しておくことが大切です。

広域避難場所はどの災害を想定している?

広域避難場所は、主に震災時の大規模な延焼火災を想定した場所です。

そのため、台風や大雨による洪水・高潮などの水害時に、必ず広域避難場所へ向かえばよいという意味ではありません。

墨田区は荒川と隅田川に囲まれた低地が多い地域です。水害時には、避難する方向やタイミングを間違えると、かえって危険な経路を通ってしまう可能性もあります。

地震火災のときは広域避難場所、水害のときは水害時避難場所や上層階への垂直避難など、災害の種類によって避難先が変わることを覚えておきましょう。

墨田区で指定されている主な広域避難場所

東京都都市整備局が公表している避難場所等指定図では、墨田区から避難する場所として、次のような場所が含まれています。

  • 白鬚東地区
  • 墨田区役所・隅田公園広場一帯
  • 錦糸公園
  • 都営文花一丁目住宅一帯
  • 荒川・四ツ木橋緑地
  • 立花一丁目団地一帯
  • 曳舟駅周辺一帯

ただし、「墨田区内ならどこの広域避難場所へ行ってもよい」というわけではありません。

住所ごとに避難する場所が割り当てられているため、自分の住所に対応する避難場所を確認しておく必要があります。

また、錦糸町周辺など一部の地域は「地区内残留地区」として扱われる場合があります。これは、地域内にとどまることが想定されている地区で、通常の広域避難場所への移動とは考え方が異なります。

防災マップを見るときは、広域避難場所だけでなく、「地区内残留地区」「避難道路」「一時集合場所」などの表示もあわせて確認しましょう。

墨田区で自分の広域避難場所を調べる手順

墨田区で自分の広域避難場所を確認するときは、次の順番で見ると分かりやすいです。

STEP
墨田区防災マップを確認する

まずは墨田区の防災マップで、自宅周辺の一時集合場所・避難場所・避難所を確認します。

STEP
東京都の避難場所等指定図を確認する

東京都都市整備局の「避難場所等指定図」で、自分の地域に対応する広域避難場所や避難道路を確認します。

STEP
家族と集合場所・経路を共有する

家族で、どこに集まるか、どの道を通るか、連絡が取れない場合にどう動くかを話し合っておきます。

公式情報は、以下のページから確認できます。

指定内容は見直されることがあります。古い防災マップをそのまま使い続けず、区や東京都の公式情報で最新版を確認するようにしましょう。

避難するときに見落としやすいポイント

広域避難場所へ向かうときは、目的地だけでなく、そこまでの経路も大切です。

東京都では、避難場所へ向かうための「避難道路」も指定しています。避難道路は、広い道路や延焼の危険が比較的少ない経路として考えられています。

墨田区には、細い路地や古い木造建物が残るエリアもあります。地震直後に大規模な火災が起きた場合、普段使っている最短ルートが、煙や炎、建物の倒壊などで通れなくなる可能性もあります。

そのため、避難場所の名前だけでなく、避難道路として指定されている経路も地図で確認しておくことが大切です。

地図で間違えやすい表示の違い

防災マップを見ると、「広域避難場所」「避難所」「一時集合場所」「水害時避難場所」など、似たような表示が複数出てきます。

同じ公園や学校が、複数の役割を持っていることもあります。そのため、地図を見るときは、まず凡例を確認することが大切です。

たとえば、錦糸公園のように名前を知っている場所でも、「避難場所なのか」「避難所なのか」「地区内残留地区と関係しているのか」は、地図の表示を見ないと分かりにくいことがあります。

わたし自身も、最初に防災マップを見たとき、「錦糸公園は避難場所なのか、避難所なのか」がすぐには分かりませんでした。こうした表示の違いは、凡例を読まないと見落としやすい部分です。

広域避難場所でよくある勘違い

広域避難場所について、特に勘違いしやすい点を整理します。

広域避難場所で数日間過ごす

広域避難場所は長期滞在する場所ではありません。火災の危険が下がった後は、避難所へ移動するか、自宅へ戻れるかを判断します。

水害でも広域避難場所へ向かえばよい

広域避難場所は、主に震災時の延焼火災を想定した場所です。水害時は、水害時避難場所や垂直避難など、別の避難行動が必要になる場合があります。

区内ならどこの広域避難場所へ行ってもよい

住所ごとに避難先が割り当てられています。遠い場所へ向かうと、かえって危険な経路を通る可能性もあります。

もう一つ見落としやすいのが、避難距離の問題です。

地図上では近く見えても、実際に歩くと遠く感じることがあります。高齢の家族や小さな子どもと一緒に避難する場合は、歩くスピードも変わります。

時間があるときに、一度だけでも実際の経路を歩いてみると、地図だけでは分からない段差、道幅、見通しの悪さに気づきやすくなります。

家族で共有しておきたいこと

災害時は、家族全員が同じ場所にいるとは限りません。学校、職場、買い物先など、別々の場所で被災する可能性もあります。

そのため、事前に次のことを共有しておくと安心です。

  • 自宅周辺の一時集合場所
  • 住所に対応する広域避難場所
  • 水害時に避難する場所
  • 家族で集まる場所
  • 連絡が取れない場合の行動
  • 高齢の家族や子どもと一緒に動く場合の経路

避難場所と経路を紙に書いて、玄関や冷蔵庫に貼っておくと安心ですよ

スマートフォンで防災マップを確認できるのは便利ですが、災害時には通信が混雑してつながりにくくなることがあります。

できれば、墨田区が配布している紙の防災マップも手元に置いておくと安心です。

平時に歩いて確認しておきたいこと

地図を見るだけでは分からないことがあります。

実際に歩いてみると、途中に細い路地があること、段差があること、見通しが悪い場所があること、大通りへ出るまでに時間がかかることに気づきます。

わたしは錦糸町から隅田公園方面へ歩いたことがありますが、地図上の距離よりも体感では少し遠く感じました。特に大通りから少し外れると、街並みの密度が高く、災害時には普段とは違う不安を感じるかもしれないと思いました。

週末の散歩のついでに、避難経路を一度歩いてみるだけでも、いざというときの安心感が変わります。

今日確認しておくと安心なこと

まずは、自分の住所に対応する広域避難場所の名前を一つ確認してみてください。

墨田区防災マップや東京都都市整備局の避難場所等指定図を見ると、自分の地域に関係する避難場所や避難道路を確認できます。

名前が分かったら、スマートフォンの地図で場所を検索し、自宅からどのくらいの距離なのかを見ておくだけでも十分です。

特に墨田区では、地震時の避難先と水害時の避難先が異なる場合があります。広域避難場所だけでなく、水害時避難場所や指定避難所もあわせて確認しておくと安心です。

防災の備えは、完璧にやろうとすると気が重くなりがちです。

でも、「自分の広域避難場所の名前を知る」「家族と集合場所を話す」「週末に経路を少し歩いてみる」だけでも、いざというときの不安は少し減らせます。

この記事が、墨田区で暮らす方にとって、少し気楽に防災を見直すきっかけになればうれしいです。

情報は更新時点のものです。最新情報は公式サイトもあわせてご確認ください。

この記事を書いた人

「すみだデスク」ライター・まさき

葛飾区在住のまさきです。地域情報メディア『すみだデスク』で、暮らしに役立つ地元情報を発信しています。

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